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什の掟(じゅうのおきて)|2013年2月

 昨年末、はからずも隣県福島県会津若松市を訪れました。
 会津若松市は隣県でもあり新潟市民にっとって親しい思いが少なからずあります。新潟市の小学校が修学旅行で訪れる他県都市としては会津若松市が圧倒的に多い。また会津若松市の小学校も同様に修学旅行先として新潟市を親しく選定されているようです。
 今年のNHK大河ドラマが会津若松市と縁のある話で驚きました。

 実はかねがね会津若松市というよりも旧会津藩時代の教育事情を一度話題にして皆さんと考えたいと思っておりました。
 会津地方はご存知の越後の上杉氏が治めたこともあったが徳川時代となってからは徳川二代将軍秀忠の子、保科正之ほしなまさゆきが藩主となり徳川御三家尾張・紀州・水戸家に次ぐ№4とも擬せられる格式ある名門。

 三代将軍徳川家光の異母弟にあたる会津藩祖保科正之は、母親が秀忠の正室でなかったため幼少時は不遇で信濃高遠三万石の小藩保科家の養子となった。保科家は将軍の息子正之に惜しみなく帝王学を学ばせた。その不遇時代の勉学が正之の人柄を大きく育てた。長じて兄三代将軍家光に仕えると正之の謙虚な人柄・優れた学識才能に家光はすっかり感銘し正之を補佐役として重用し会津藩主に任じ、ついには四代将軍家綱の後見を托した。

 家光・家綱と二代の将軍の補佐役を務めながら会津藩主となった保科正之は会津藩の治世に関しても数々の優れた業績基礎を築いた。中でも教育を重視奨励し後年上級藩士の子弟に必ず入学を義務付けた藩校制度(日新館)の基礎を築いた。

 会津藩士の子弟は十歳になると藩校日新館に入学、授業は朝8時から始まり文字通り文武両道に励んだ。生徒数は1000人以上を数えたようだ。戊辰戦争で会津若松城落城とともに自刃した有名な白虎隊の少年戦士達も当然日新館出身だ。

 日新館に入学する前の六歳から九歳までの子ども達は大体10人程がまとまって什(じゅう)と呼ぶグループとなり、寺子屋や什の家庭などでそれぞれ遊びや学習をした。その什にはその決まりとして「什の掟」があった。それが冒頭の「什の掟」である。「什の掟」は什がいくつもあったので必ずしも同じではなかったようで、とくに最後の婦人と会話に関しては規定しない什もあったようだ。(cf:日新館HP)

 最後の結語の「ならぬものはならぬものです」が明快である。一見頑固で乱暴な押さえつける表現に響くがわかりやすい。今学校での体罰問題が大きな関心を集めている。体罰ではなく指導であり愛の鞭であると言い訳してこれまで見過してきた。教育とは賢く生きる方法を教える場所である、その教育のやり方が死に結びつくとはとんでもないことであり、まさにあっては「ならぬこと」 だ。

 幼少時は基本的な物事の善悪の区別を理屈抜きにしっかりと教え伝え憶えねばならない時期だ。それを確実に教えることが親の務めであり大人としての義務・役割りである。動物の世界で例をとると、親はまず危険と安全を必死にわが子に教える。何が食べられるか食べられないかを徹底的に教える。一旦間違えたら死に至るのだ。また他の襲撃を避け生延びるための必死の学習である。そこで屁理屈や疑問のやり取りが入り込む余地はない。ならぬことはならぬのだ。  自由にものが言える現在はとにかく情報が多すぎて事の本質が見え難くなっている。特にネット上では姿が直接他に目立たないためその傾向が強く無責任な回答や対応が幅をきかせている。

 著書「国家の品格」 で数年前一世の話題注目を集めた藤原正彦氏もこの「什の掟」に言及し、最後の婦人との会話の章を除けば現在でも重要な教えであると評価されている。

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 上記はご存知「小倉百人一首」の中の一首。
 かるたと言えばやはり百人一首ですね。石井式新潟県大会では俳句・諺だけにしておりますが、石井式大会では百人一首も正式種目に入っているのです。新潟県大会では気軽に出来るだけ多くの人に参加していただきたくてあえて諺・俳句の二種目にしぼっております。
 ご承知のように今回は全国大会が開催できませんでした。東京地区一帯の参加園のご意見やお考えなど何かと足並みがそろわなくて残念な状態の結果です。来年は何とかまとめてぜひ開催をと心掛けております。
 来年の県大会は1月11日(土)会場は本年同様ユニゾンプラザで手配し、全国大会は1月26日(土)にこれまで同様のスカイツリー間近かの墨田区区民会館を確保致しております。
 実は先週末、東京・神奈川・山梨の三地域の数園の石井式大会が川崎市内の幼稚園で開催があり、それを観戦してまいりました。俳句・諺部門に関しては新潟県はなんら遜色ありませんが、百人一首部門があり、じっくりと観戦してまいりました。そして詠みあげられる百人一首の数々を耳にして改めて日本語の美しさ素晴らしさにつくづくと聴き惚れてしまいました。

 表や写真は去る1月13日開催の第13回漢字かるた新潟県大会の参加状況や各園の入賞状況や結果です。なお入賞者の実名は省略させていただきましたがご了承ください。
 三条市の保育園は人数も「かるた」に対する熱意も赤沢保育園よりも圧倒的に高いため残念ながらそれがはっきり成績に反映致しました。

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