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立腰(りつよう)と 石井式漢字教育|2019年4月

4月から新年度に入ります。現在のところ新入園数は卒園数とほぼ同数の見込です。近年の傾向として入園人数は4月に集中しないで、ぱらぱら五月雨(さみだれ)的の入園が最近の傾向。

 それはそれとして新年度にあたり赤沢保育園の保育の特色・力点についてをここで再確認・ご説明をさせていただきます。

立腰・りつよう: について

 毎朝、各クラス朝礼で出席を確認する際、各人の名前を記入した紙カード(8㎝×25㎝程)を一枚一枚を整列・椅子掛けしている園児の面前に担当保育士が提示します。その提示の際、注目を集めるためにパッパッとフラッシュカード的に素早い動作で示します。そして自分のカードが提示されたら「ハイッ」と大きな声と共に右手を挙げて反応してもらいます。

 その椅子掛け姿勢のまま、各人一斉に目をつぶり腰骨と背筋をぴんとまっすぐにした姿勢を取ってもらいます。これが「立腰」です。背筋をピンとすることで気持ちが落ち着きます。その姿勢がうまくできない子には保育士は「腰骨を立てます」と言いながら一人一人の背筋を下から上へ指を添えてなぞり上げ、目をつぶるよう指示します。そうすることで子どもたちの気持ちを落ち着きへと導きます。落ち着いたところで各人の名前を記入したカードをパッパッと提示します。

 名前の表記は両親その他命名者が思いを込めて名付けた戸籍表記の通りです。漢字あるいはかな・カナ文字名前でもそのままの表記です。

 0歳児も5歳児クラスの場合でもこの朝礼のやり方は共通です。0歳児の子も自分の名札を認識して手を挙げて反応するのにさほど時日はかかりません。

 この名札読み上げの出席確認を毎日繰り返していると、自分の名前は勿論のこと他者の名前カードも識別できるようになるのにそれほどの時日を要しません。不在児の名札が示されると「お休みでーす」と一斉に反応します。名前カードの中に保育士職員の名前カードも混ぜます。こうすることで日頃親しい職員の名前を文字とともに知らず知らずのうちに頭に入ってしまいます。

石井式漢字教育 について

 前述の朝礼時の名札カードの名前の表記は戸籍記載のままとしましたが、幼児だからと言って「かながき」が分かり易いということはありません。とにかく文字を全く知らない段階では「かな文字」であれ「漢字」であれどちらもチンプンカンプンの単なる線摸様でしかありません。

 たとえば、「あべしんぞう」「はとやまゆきお」の表記と「安倍晋三」「鳩山由紀夫」の表記の場合どちらが印象強く目に映り記憶に残るでしょうか?日本文字を全く知らない外国人にとって、印象強いのは複雑な漢字書きのほうではないでしょうか。一見して識別しやすいのは漢字混り書きであり仮名文字だけの線描は印象が薄く憶えにくいと言うことです。エジプトのピラミッドに残されている絵文字を想像してください。より複雑な絵文字の方が単純な線摸様よりより印象的ではないでしょうか。

 ご存じのように漢字の成り立ちは、物や現象を抽象化し造形・形体化したのが基本です。川の字が流れをかたどったものであり、山の字や田んぼの田の字や心臓の心の字などは全く実感そのままです。漢字には一つ一つの字にそれなりに意味・由来があります。それだけにアルファベットのように音標化した文字とは全くことなります。

 普通の日本語は漢字・仮名まじりです。それだけにひらがなやカタカナだけの文章表記では呪文(じゅもん)のようでわかりにくい。幼児期の本でも通常漢字記載場合はの表現をとるべきだというのが石井式の考え方。それにはまず漢字にできるだけ早多く接触しく慣れ親しんで欲しいというのが石井式の考え方。

 毎朝の点呼で漢字表記のまず自分や近しい人たちの名前から親しむことがもっとも早道であり手近な習得法だ。

 言い古された例文ですが「べんけいがなぎなたをもってさしころした」かな文字書きのこのままでは何のことやら判りにくい。これが「弁慶が薙刀を持って刺し殺した」となるとすっと分かり易い、と言うことです。

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 平成31年3月23日(土)ぞう組11名の皆さん、元気よく卒園しました。

 警察官、消防士、犬のお医者さん、新幹線の運転手、モデル、アイドル等々の将来の夢・希望を教えてくれた皆さん、めでたく元気よく保育園を卒園しました。

 赤沢保育園創立の歴史は明治23年(1890)ですので、今年2019年で128回目となります。

 明治23年当時は小学校の入学率が2割程で5人に1人。 現園長の祖父が「静修学校」と命名した小学校課程の教習所を創立したところ小さな弟妹や奉公先の赤ん坊を背負った生徒が複数いたためその幼児を別室にまとめたことが保育事業のはじまりとなりました。

 卒園生の皆さんのご多幸をいのります。

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