キラキラネーム

赤ちゃんの命が宿ったその瞬間から、親たちは生まれてくる子に思いを巡らせ子どもの名前を考え始めます。名づけには人それぞれの背景やストーリーがありますが、中には思いもよらぬ凝った名前や、どうやっても読めない当て字を使った名前、アニメやゲームのキャラクターから取ったような名前もあります。そんな名前を総称して「キラキラネーム」と呼ぶようになったのは、いったいいつの頃からでしょうか?私が記憶する限り今から30年近く前に「悪魔」と子どもに命名したことで騒動になったあのあたりから、一般的な子どもの名づけの枠が外れ自由度が増して「キラキラネーム」と呼ばれる名前も巷で増え始めたように思います。

個人的には親や家族が子どもに幸せを願って付けた名前に(ネガティブな意味や不快な印象がなければ)全く異論はないのですが、一度聞いたら一生忘れられないほどインパクトの強い個性的な名前だと、名付け親の思いとはうらはらに、その名前の持ち主ご本人の苦労はきっと大きなものになってしまうことでしょう。

ところでこの「キラキラネーム」も戸籍法の一部改正で、ある程度の制限がかかってくるようになるそうです。この法改正は行政のデジタル化促進や利便性の向上が主な目的で、決して「キラキラネーム」を使えなくするためだけのものでは無いようです。法改正後には戸籍に読み仮名が必須となるのですが(戸籍振り仮名制度)ではその結果どのような名前が付けられなくなってしまうのかというと、「太郎」と書いて「マイケル」と読ませる、とか「高」とかいて「ヒクシ」と読ませる、などが例として法務省のHPに挙げられていました。なお戸籍の名前に振り仮名が必須となるのは新生児の届出時のみに限らず、すでに名前を与えられて幾久しい私たちも対象で令和7年5月ごろから届出が開始される予定です。なお漢字の読み方だけに限らず反社会的、人の名前として違和感のあるキャラクター名なども受理されないようです。「騎士」と書いて「ナイト」、「光宙」と書いて「ピカチュウ」は受理されるのでしょうか?そのあたりの判断が役所の担当によってばらつきが出てしまうとなると、将来的に大きな議論や問題を巻き起こしてしまいそうですね。

春になり、保育園にも新入園児さんがたくさんやってきます。そんな新入園児さんの名前を見ながらどんな思いを込めてつけられたのかを想像するのもなかなか楽しいものです。