忙しいという言葉|2021年8月

 一日に何度となく「忙しい」という言葉を使っていませんか?  もちろん仕事と家事と子育てを両立していれば、時間に余裕などあるはずもなく、つい無意識に出てしまうのがこの「忙しい」という言葉でしょう。

 かくいう私もこの「忙しい」を連発する人であり、そしてある時まではこの言葉を使うことに何のためらいも感じていませんでした。しかし、とある研修でこの「忙」という漢字は、心を意味する立心偏「忄」に、「亡」という旁が組み合わさってできていて、忙しさは心を亡くしてしまうことなのだ、と教わって以降、この「忙しい」という言葉を意識してなるべく使わないように心がけています。

 しかし、なるべく使わないようにしていても、つい口から出てしまうこの厄介な言葉。言ってしまった後で、忙しく振舞う自分の姿が、周りに威圧感を与えてはいなかっただろうか、自分はこの言葉を免罪符代わりにして何かから逃れようとしたのではないか、と反省しています。でも、忙しければその言葉を発する以前に、自分の身振りや形相から「忙しいオーラ」が発せられてしまっているのです。誰かが何かを伝えたいのに、その隙を与えないのは「忙しい」と言い放っているのに等しいのです。

 思い返せば子どものころ、大人たちから言われた「今、忙しいから後にして」というセリフは、すべてが一瞬にして止まってしまう冷淡な呪文のように感じたことがありました。

 子どもの言っていることすべてに耳を傾けることは不可能です。でも時には忙しい手を休め、子どもの言葉にじっくり耳を傾けてみはどうでしょう。ひょっとすると失くしてしまいかけた何かが心の中によみがえってくるかもしれません。

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水の事故にご注意ください

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため開設を取りやめる海水浴場もあるようです。海水浴に出掛ける際は適切に安全管理が行われている海水浴場で、指定された遊泳エリア内であることを確認してから泳ぎましょう。

 水辺では子どもから絶対に目を離さずに、手の届く範囲で見守りましょう。

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